さまざまな消費者トラブルの解決のサポートをします

民法では、契約当事者が完全に対等であることを前提に、契約についての責任分配ルールを定めています。基本的には「自分が契約したら、守る義務がある」という考え方(「契約自由の原則」といいます)に立ち、公平で公正な責任分配、社会全体が適正にうまく発展していくことを目的としています。
ところが、「契約当事者は対等である」との前提が崩れると弱者に不利で過酷な結果となります。消費者と事業者は、情報の質と量、交渉力において対等ではありません。結果、さまざまな矛盾や消費者被害が発生しています。
消費者被害を解決するために特定商取引法や消費者契約法が定められていて、クーリング・オフ制度などを正しく活用することで被害を防止することができます。ただしすべての消費者取引に万能ではないことや、取り消しの意思表示の内容が法的に正しい事が求められる他、その期限も決まっていますので、専門家のアドバイスが必要なケースも多々あります。
当事務所では、送達された日付が重要な意味を持つクーリング・オフなどに内容証明郵便を利用し、確定日付のある内容証明として法的効力を持たせ、問題解決のサポートをしております。
またご相談内容によっては、関連機関の相談窓口や対応可能なADR(裁判外紛争解決)センター等もご紹介しております。

クーリング・オフ制度と消費者契約法の違いに注意

「契約を解除する、契約の取消をする」というイメージから真っ先にクーリング・オフ制度が思い浮かぶかもしれません。
しかしながら、クーリング・オフ制度と消費者契約法による「契約の取消権」とは、全く異なる制度です。クーリング・オフ制度がなくなったわけではありません。
ここで簡単な違いを説明します。

クーリング・オフ制度

   
クーリング・オフ制度は、特定商取引に関する法律や割賦販売法などの各種の業法で、消費者を保護するための制度です。
一定の期間内であれば、消費者からの一方的な解除の通知で、契約を最初に遡って解除することができる制度です。解除の理由は問いません。
クーリング・オフ制度では、事業者の販売方法にルール違反などの不当性があるかどうかは問題にしていません。
しかしながら、この制度は消費者取引のごく一部を対象としているにすぎません。通信販売などはクーリング・オフ制度の対象外となっていますので注意が必要です。

法律による主なクーリング・オフ制度一覧

取引内容根拠法期間適用対象取引
訪問販売特定商取引法(*)法定の申込書又は契約書の公布日から8日間商品、役務、政令指定権利に関する訪問取引、現金取引の場合には3,000円以上の取引
電話勧誘販売同上商品、役務、政令指定権利に関する電話勧誘販売取引、現金取引の場合は3,000円以上の取引
マルチ商法原則として法定の申込書又は契約書の公布日から20日間すべての商品、役務
特定継続的役務取引法定の契約書の公布日から8日間エステ、語学教室、学習指導、家庭教師、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの6種類(**)
業務提供誘因販売取引法定の契約書の公布日から20日間内職、モニター商法
個別クレジット契約割賦販売法特定商取引法と同じ訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘因販売取引の5種類に関する個別クレジット取引
預託取引預託法法定の契約書の公布日から14日間政令で指定した特定商品、施設利用権についての預託取引
宅地建物取引宅地建物業法クーリング・オフ制度告知の日から8日間宅地建物取引主任者が売り主の宅地建物との引きで、店舗以外での取引
ゴルフ会員権取引ゴルフ会員権規制法法定の契約書の公布日から8日間50万円以上の新規募集のゴルフ会員権
投資顧問契約金融商品取引法法定の契約書の公布日から10日間投資顧問業者として登録を受けた業者との契約に限る。ただし、清算業務がある。
保険契約保険業法法定の契約書の公布日か申込みをした日かいずれか遅い日から8日間保険契約が1年を超える契約であること。生命保険で医師の診断を受けた場合にはできなくなる。

(*)2016年改正で、指定権利から特定権利に拡大(施行は2019年11月からの見込み)
(**)2016年改正で、美容医療が追加されました

消費者契約法

消費者契約法では、消費者被害を救済するための制度と予防のための制度として
①消費者契約を取り消すことができる制度
②消費者契約の中で定められている一方的に消費者に不利な契約条項を無効とする制度
③適格消費者団体による差止制度
の3種類の制度を設けています。

消費者契約法の適用範囲

消費者契約法は、原則としてすべての消費者契約に適用されます。(例外:労働契約)
ここが対象となる商品や役務が限定されているクーリング・オフ制度と違うところです。
消費者契約について「消費者と事業者との間で締結される契約を言う」と定義されています。

  • どんな販売方法の契約にも適用されます。消費者が店舗に買いに行った契約(店舗取引)にも、訪問販売にも通信販売にもインターネットでの取引(電子商取引)にも、同一のルール適用があります。
  • 何を買う契約にも適用があります。家庭商品や食料品のような日常的な買い物にもも不動産取引にも、金融商品などの複雑な取引にもすべて適用があります。
  • 商品の販売だけでなく、各種のサービス契約にも適用があります。出会い系サイトの利用とかアダルト系サイトの利用、オンラインゲームの利用なども情報提供サービスに該当する契約とされます。ですから、消費者契約であれば消費者契約法の適用があります。
  • 消費者が代金を支払う有償契約に適用があるのは当然ですが、消費者が代金を支払わない無償の契約でも適用があります。
消費者契約法の取消制度

主な取消と無効となる制度の概要です。

  1. 「重要事項の不実告知」…契約の締結の勧誘にあたり事業者が契約の重要事項について事実と異なる説明をしたために消費者が誤認して契約を締結した場合には、取り消すことができる。
  2. 「断定的判断の提供」…契約の締結の勧誘にあたり事業者が消費者に対して断定的判断の提供をした場合には、それによって締結した契約を取り消すことができる。
  3. 「不利益事実の不告知」…契約の締結にあたり、事業者が消費者にとって利益になることを説明しながら、不利益な事実については知っていて説明しなかった場合(不利益事実の不告知)にし、消費者がこれを信用して契約を締結した場合には、取り消すことができる。
  4. 「困惑」…事業者が契約の勧誘をするときに、居座ったり、消費者を引き止めて契約させた場合には、「困惑」に該当するとして取り消すことができる。
  5. 「過量販売」…2016年法改正で導入。主に高齢者被害の対策として利用されることが予定されています。
  6. 契約の勧誘をする事業者と契約相手の事業者とが別の事業者であっても、勧誘業者の説明に問題があった場合や困惑させた場合など取り消しができる場合があります。
  7. 事業者が定めた契約の条件(契約条項)が著しく不当な場合には、その一部または全部を無効とするものと定めています。
クーリング・オフ制度との違い
  • 対象の商品や役務…クーリング・オフ制度の対象となる商品や役務は特定商取引法や業界が自主的にクーリング・オフ制度を設けたものに限定されます。それに対して消費者契約法は、原則としてすべての消費者契約に適用されます。(例外:労働契約)
  • 通知の方法…クーリング・オフ制度が書面で行うことが法律で定められているのに対して、消費者契約法では民法の原則に従っているので方法は問いません。しかしながら、内容証明郵便を利用して、配達証明付き郵便で郵送するのが最も確実です。
  • 取消理由の証明…クーリング・オフ制度が契約解除の理由が問われないのに対して、消費者契約法では、取消理由については、取消しによる効果を主張する消費者の方で証明しなければなりません。すなわち、証拠の資料などを確保しておくことが大変重要となります。
  • 取消し期間…クーリング・オフ制度が取引内容によって8-20日間の取消し期間があるのに対して、消費者契約法では、契約した日から5年間を過ぎると、消費者契約法による取消はできなくなります。
クーリング・オフ制度と消費者契約法は、ともに利用することができます

クーリングオフ期間を過ぎた契約であっても、契約対決の段階などで事業者の側にルール違反がある場合については、消費者契約法による解決方法が取れる場合があります。

まずは、ご相談ください!!

クーリング・オフ制度は取消し期間が非常に短期です。また消費者契約法による取消しをする場合には、消費者からの証明が必要になる場合があります。
悩んでいないでお早めにご相談ください。

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